愛鳥活動を通して育てる、ふるさと長岡を愛する心
長岡市立中野俣小学校
教育活性化部門|-| キーワード:地域の魅力・情報を外部へ発信/ツール作成/ガイド環境教育/自然・環境保全 |新潟県活動内容
50年目を迎える愛鳥活動。自然環境の調査・保護・保全に地域とともに取組んでいる。
本校は全国名水百選に選ばれた「杜々の森」の近くにある。全校15名の極小規模校の子どもたちは、ふるさとの自然を愛する心を育みながら、地域住民とともに野鳥の観察活動と野鳥が飛来しやすい環境作りに取組んでいる。子どもたちの取組みは地域を活性化する事業とも連携し、地域住民の元気アップにもつながっている。
今年で50年目を迎える野鳥の観察活動では、県長岡地域振興局環境センター・長岡野鳥の会の協力を得ながら、子どもたちが野鳥の生息状況を観察し記録を蓄積している。毎年5月の探鳥会では地域住民も参加し「杜々の森」まで歩きながら観察を楽しみ、観察後はクリーン活動を実施している。5・6年生を中心に野鳥マップや野鳥カレンダーとしてまとめ、いつ、どこで、どんな野鳥が飛来するかを来校者に説明、豊かな自然を伝える展示を工夫している。また「なかのまた野鳥カルタ」を作成し、近隣校や保育園、県内の愛鳥モデル校に配布し交流に生かしている。
2004年の中越地震では校舎裏の池(通称「カワセミの池」)の涌き水が細り生活排水で汚れた。そこで2008年から地域住民と協力して涌き水を引込み、水生生物を保護する活動を始めた。その結果池は再びカワセミが飛来する場所として蘇った。翌年からは地域の老人会の協力を得て水生生物の調査を実施、改めて中野俣の豊かな自然を実感するデータとなっている。校内にも「カワセミ池水族館」を作り、3・4 年生が飼育・観察活動に取組んでいる。野鳥観察、水生生物調査の記録は子どもたちが代々受け継ぎ、その成果は「新潟県野生生物保護実績発表大会」で伝え、また野鳥マップや生き物マップとしてまとめ、地域や県内の自然保護交流校へ配布している。
子どもたちにとって、自分たちの願いや想いを伝え、それに応えてくれる大人たちとの協働は、自分たちの取組みへの自信と誇りを育て、地域社会の一員として地域の将来を考えていこうとする自覚を育てている。
【写真】
落葉や増えすぎた水草を取り除く春の池そうじ
審査委員より
学校と地域が一体となって取り組む教育活動が、長い年月に渡って継続的に行われている。その取組は、時とともに変容しながらも、地域の自然を愛する心を育てることやその中核に愛鳥活動があることなどに変わりはない。一貫した取組の結果、学校が地域の絆を深め、地域の活性化を促進するとともに、地域を支える子どもが育ち始めている。
プロフィール
新潟県 長岡市立中野俣小学校(ながおかしりつなかのまたしょうがっこう)
【創 立】
1873年
【学校(団体)規模・活動参加人数】
○児童数 : 15名 ○クラス数 : 3 ○指導者数 : 6名