活動内容
本校では、2002・2003年の大垣市教育委員会「図書館教育」の指定を受け、「豊かな表現力を育む指導のあり方」の研究をスタートさせた。まず注目したのが、「文教の町大垣」という伝統ある地域性だった。幸い、校区である赤坂町は、かつては中山道57番赤坂宿が栄え、著名な人々を輩出している。文を好み、文を勤しむ土壌がすでに育っている地、それが赤坂の町であった。
早速、児童の読書量の調査から洗い出しを始めるとともに、家庭での読書時間と語彙力の相関に着目し研究を進めた結果、家庭での読書時間の確保、読書量向上の段階的アプローチの仕方、自然に足が向く新生図書館の魅力作りなどの課題が浮かび上がってきた。また、奥の細道結びの地として市をあげて活動を進めている俳句活動では、17文字の表現力に着目し、教師が評価者であるための研鑽の必要性などが課題として浮かび上がってきた。これまでの道のりは長く、2002年当時から勤務していた職員に聞くと、「形を作るのが容易ではなかった、特に見届けと評価が大変だった」という言葉が返ってきた。
活動を振り返ると、地域の読み聞かせボランティアや俳句講師の温かい支援があったり、感動教育に燃える本校職員やPTAの「感動記」作り、いのちが軽んじられた頃の「いのちのコーナー」設置、さらには、先生の活躍の場「お話劇場」の開設などの、年度ごとの新しい取り組みを行ってきたことなどが、本校の図書館教育や俳句活動を支えてきたと思う。昼の休み時間に、図書館では多くの児童が本を借りようとカウンターの前に並び順番を待っている。中には、「先生、ぼく100冊読破したよ。」と年間100冊読破を達成したことをうれしそうに目を輝かせながら話しかけてくれる児童がいる。
このように、本校では図書館教育と俳句活動を両輪として、児童の豊かな表現力育成に取り組んできている。これからも、見届け・評価・反省を繰り返し行う中で、さらなる向上に向けて研鑽を積みたいと考えている。
【写真】
俳句講師を招き、俳句を学ぶ1年生の親子
審査委員より
学校図書館を読書センター、学習情報センター、創作活動センターとして機能させながら、国語科をはじめ各教科と連携させた豊かな図書館教育が推進されている。特に、創作活動センターに独自な工夫があり、地域の言語文化としての俳句創作に学校ぐるみで取り組んで充実した成果を生んでいる。全体として学力面、情操面にともに価値ある国語教育が展開されている。
プロフィール
【創立】
1874年
【団体の規模】
・名児童・生徒数:450名
・クラス数:16
・指導者数:23名