博報賞

活動タイトル

同和問題はじめ人権問題解決への取り組みを通して仲間集団の育成を目指す革新的な学校づくり

京都市立弥栄中学校

特別部門|| キーワード:京都府

活動の目標・方針

・互いを認め合い、支え合える仲間集団の育成=“学びの共同体”の形成。
・生涯を通じて学び続け、自ら伸ばし続ける生徒の育成=生き抜く力の育成。

活動内容

本校は約10年前まで長期にわたる生徒指導上の荒れがあった。荒れの背景に現在の日本社会が解決できていない社会問題に悩み苦しむ生徒がいた。問題の解決を生徒指導の強化ではなく、教科指導と人権教育の強化に求めた。「小人数分割クラス」は生徒中心の「プレゼンテーション形式の授業」を可能にし、生徒の仲間意識を醸成した。同和教育・人権教育の研究過程で全校人権学習に取り組み、生徒は学年の枠を超えて学びあった。人権をテーマとする学年劇の創作は保護者・地域の共感を呼び、中学校生徒の劇が京都市民対象の啓発活動に使われるまでになった。平成12年度全国中学校道徳教育研究大会において公開授業(学校での道徳授業と保護者参加の全校道徳)・研究発表を行い、発言する生徒の姿は参加者からの支持・激励を得た。この過程で荒れた学校は見違えるように変容し、現在全国から多くの参観者を迎えるに到っている。



審査委員より

>学校が抱える社会課題である「同和・人権」問題に正面から向き合い、「小人数分割授業」「全校道徳」「人権劇」などの独創的な数々の試みで、根本からの解決に挑戦し、学校を改革したことは賞賛に値する。この教育実践は、教育現場に大きな活力を与えることになり、京都のみならず全国の学校に影響を及ぼすこととなっている。

プロフィール

京都市立弥栄中学校

団体概要

【創立】
1869年3月

【学校の規模・活動参加人数】
・生徒数 91名
・学級数 6学級
・教職員数 21名

主な著書・論文・文章など

1996・97年度  研究報告冊子「同和教育」「人権教育」 文部省・京都市教育委員会指定
1998~2000年度 研究報告冊子「フロンティア推進事業(道徳教育)」 京都市教育委員会指定
2001年 授業研究・研究報告会冊子「総合的な学習の時間」
2002年 授業研究・研究報告会冊子「総合的な学習の時間」