第54回「博報賞」奨励賞受賞
[神奈川県]土居 正博(川崎市立はるひ野小学校 教諭)
子どもたちが意欲的に取り組み、漢字を使う力を高める漢字指導
国語教育領域
子どもが漢字を学習してそれを使うことができるようにするのは、国語教育にとってきわめて大事なことであるにもかかわらず、なぜ、子どもの学習意欲とは切り離された学習指導法のままなのか。受賞者は初任教師として勤め始めた頃から抱き続けてきたこの問いを真摯に探り続けた。その実践の成果は全国的な国語科教育学の学会誌にも採択された他、著書『漢字指導法』(明治図書出版’2019年)等としても刊行され、全国の先生方に受け入れられ、日々の教育実践のための貴重な手がかりとなっている。
子どもにとっては、漢字学習がやがて大人になってから必要になる語彙力や表現力の基礎になる。「漢字ドリル音読」をはじめとする受賞者の漢字指導法は、従来の漢字指導の理念と実践を踏まえながらも、どこの国語教室においても実践することが可能で、なおかつ、子どもが漢字学習に多角的にアプローチすることを可能にする指導方法として開発・提案された。漢字を学び覚えることによって、日本語による理解と表現の幅は大きく広がる。漢字の関わり方を子どもが手に入れて、自分の生活の中に漢字を取り入れることができれば、身の回りの世界の見え方が変わってくる。やがて社会世界に参加するために必要不可欠なツールを提供する実践である。
※記載の所属・役職は、受賞当時のものです。
博報賞とは
「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的に、財団創立とともにつくられました。日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰しています。また、その成果の共有、地道な活動の継続と拡大の支援も行っています。
※活動領域:国語教育/日本語教育/特別支援教育/日本文化・ふるさと共創教育/国際文化・多文化共生教育 など