Vol.130 |
2026.04.15 |
「伝記のコトダマ」
小学4年生のとき、図書館にあった「伝記」を借りて、毎日読んでいる時期がありました。
ナポレオン、アインシュタイン、エジソン、ウォルト・ディズニー、野口英世、豊田佐吉、宮沢賢治、渋沢栄一。
今でも、そのときに読んだ表紙の絵が頭に浮かびます。
「伝記」とは、実在した人の人生をあとから別の人がまとめて書いた本です。
小説と違い、想像や空想で書かれることはありません。
その人のいい面も悪い面も隠すことなく書かれているのがほとんどです。
驚くのは「伝記」に登場する人の多くが、勉強が不得意だったり、貧しかったり、家族に恵まれなかったりしていること。
「アインシュタインは、生まれついての天才に違いない!」と思って読んでいたら、親が心配するほど言葉を覚えるのが遅く、学校の勉強は大嫌い。その代わり、父親からもらった方位磁石の針が同じ方向を指すのがわからず、じっと見つめている姿が描かれています。
織田信長は、家来たちから「うつけもの(愚かな人)」と陰口を叩かれ、ディズニーは家が貧しくて、来る日も来る日も新聞配達をしていた。夢のように楽しい世界を思い描くなんて、到底無理な環境で育っていました。
子どもの頃に、「偉い人」の幼少期の生活を読んで、「エジソンだって失敗だらけだったんだ。挫ける必要はない」などと、自分を自分で励ます材料をいっぱいもらっていたのでした。
子どものころの「伝記読書」は、その後何度も、私を救ってくれました。ナポレオン・ボナパルトが、ロシアに遠征する。
破竹の勢いで勝ってきたナポレオンが、ここで大きく負ける。
「強い」ということが、そのまま「弱み」に変わっていく様子を知って、「うまくいっている時ほど気をつけなければ」と思いとどまったことがどれほどあるでしょう。
「伝記のコトダマ」が、私のアクセルやブレーキの役割を果たしてくれることによって、ここまで生きてこられたように思っています。
もしあなたが、「何を読もうか」と迷っていたら、「伝記」をお勧めします。過去の偉大な人物が、あなたの話し相手になってくれます。遠い昔の人の人生が、ページをめくるたびにあなたの未来に重なってきます。
「伝記」を読めば、昔の人が、あなたの味方になってくれる。
全力で支えてくれる。
明日、図書館、図書室、本屋さんなどに行って、お気に入りの伝記を探してみてください。






