博報賞

活動タイトル

外国ルーツの子どもたちの日本語教育、学習支援 進路保障および居場所づくり

NPO法人 外国から来た子ども支援ネットくまもと

国際文化・多文化共生教育|功労賞| キーワード:熊本県
NPO法人 外国から来た子ども支援ネットくまもと

活動内容

くまもとで生きる子どもたちをサポートする先駆者として

 NPO法人 外国から来た子ども支援ネットくまもとは、外国にルーツをもつ子どもたちの主体性を尊重し、20年以上熊本県内で活躍を続けている。特筆すべきは、かつて県内に散在していた子どもたちへの支援体制をネットワーク化し、そのハブ的存在となっている点である。
 具体的な支援として、子どもたちに関する支援者間での情報共有や連携がきめ細やかになされている点、子どもたちが主体となって、学習を進めたり、自身のキャリアについて考えたりする場が設定されるなど、取組が立体化されている点は、波及効果が期待される。また、性別やルーツなどを同じとするグループで活動するだけではなく、それらを異とするグループにより、互いの個性と良さを尊重する機会が設定されている実践も、ユニークなものになっている。
 さらに、子どもたちのみならず、保護者の方々も巻き込んだ支援の在り方も興味深い。保護者の方の日本語スキルのアップはもちろんのことだが、日本の教育における家庭学習の位置づけや、子どもの学習状況の共有なども行われ、さまざまな角度から子どもたちとその保護者を包括的に支えるシステムを構築している。このことで、子どもも保護者も共に心のよりどころを見いだすことが可能になっている。

【写真】
地域日本語教室活動・BBQの様子

審査委員より

 かつては散在し、各々の場所で行われていた子どもたちへのサポートをネットワーク化し、支援者同士の連携が強化されたこと、加えて、中心的機能を発揮し、熊本県内の子どもたちへの支援をリードした取組は、大変素晴らしいものである。その結果が、すべての子どもたちがサポートを受けられる、今日の状況につながっている。子どもたちも自他の「良さ」に目を向け、自分自身のキャリアと真剣に向き合えている。この実践がモデルとなり、子どもたちへのサポートネットワークが多くの地域で構築されることが期待される。

プロフィール

NPO法人 外国から来た子ども支援ネットくまもと

【代表者】
竹村 朋子

【役 職】
顧問

【活動開始時期】
2005年

【団体所在地】
熊本県合志市

【HP】
https://shiennet-kumamoto.org/

【学校(団体)規模・活動参加人数】
○子どもの人数:・日本語指導 全体87名(内訳)小学生相当63名、中学生相当24名 ・地域日本語教室 全体25名(内訳)小学生相当15名、中学生相当8名、その他2名 ・生徒交流会 全体59名(内訳)小学生相当6名、中学生相当24名、その他29名
○指導者:日本語指導内部35名、地域日本語教室内部9名、生徒交流会内部4名、外部5名
○協力者(ボランティア等):地域日本語教室25名、生徒交流会21名
○開催ペースやクラス数:日本語指導(週1~2回)、地域日本語教室(週1~2回)、生徒交流会(年1回)