2020年の14歳 Part. 2
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調査後記3冊同時刊行 [Part 1 / 2 / 3]資料請求はこちら(博報堂教育財団ウェブサイト)からhttps://www.hakuhodofoundation.or.jp/contact/request/14歳が描く将来35©公益財団法人博報堂教育財団2021 PrintedinJapan本誌掲載の記事・写真の無断転載をお断りします。写話による、ありのままの子ども2020年の14歳Part2発行日:2021年7月30日発行人:中馬淳発行:公益財団法人博報堂教育財団〒100-0011東京都千代田区内幸町二丁目2番3号日比谷国際ビル14階Tel 03-6206-6266www.hakuhodofoundation.or.jp※本誌の内容は、ウェブでも公開しています。企画・編集:博報堂教育財団こども研究所編集・構成:沼上純也(イヰマ)編集補助:川田祥世、西村健、平田和佳、大河原かなみ、小沼美優、堀山結花アートディレクション:大西隆介(directionQ)デザイン:椙元勇季(directionQ)印刷・製本:田宮印刷株式会社 「将来の夢は何ですか?」と大人に尋ねられたら、自分は何と答えていただろう。14歳の時、自分はどこで何をしていたか記憶を探りながら、子ども達に「将来の夢や今後の進路」について訊ねてみた。 具体的なビジョンを持っている子は30人中14人と、この割合が多いのか少ないのか判断は付かないが、みな具体的な理由とともに語ってくれた。男子は「社会のため、がかっこいいから警察官」「お給料が高そうで面白いからパイロット」「勝手に止まるブレーキを作ってみたいから、車の会社」「好きなことをして生きていきたい。IT関連の仕事に就きたい」など、「好き」や「楽しい」をベースに将来を考えている子が多かった。女子は憧れからその職業を目指している子が多かった。医療系の進路を考えている子は3人いて、それぞれ「母が看護師だから」「看護師のおばあちゃんに憧れて」「(ドラマの)コウノドリを見ていたし、実際に妹が生まれて」と話してくれた。そのためには「勉強は嫌いだけど、頑張らないと」「御三家の高校に行きたい」と、今やるべきことを十二分に理解している姿は頼もしく感じた。また、プロの囲碁棋士を目指している子は「梅沢由香里さんみたいに活躍したい」「将来、自分の好きなことを頑張れるように、今は我慢している。頑張る時期だ」としっかりとした口調で語ってくれた。好きなアイドルの役に立ちたいと、アイドルが所属する会社に就職を希望している子は、誰よりも魅力を分かっている自負があると話してくれた。 では、残る16人は将来について何も考えていないのかというと、そうではない。具体的なビジョンはないけど「一定の給料がもらえて普通の生活ができる仕事」「働いた分だけお給料がもらえる仕事」「ちゃんとした仕事に就いて自立したい」等と安定を求めていたり、いま具体的に考えていることはないけど、「高校のうちに見つけて、そっちの道にいけたらいい」「大学を出て、そこからやりたいこと見つかったら繋げていく」と考えていたりと、自分なりの指針を持っていた。一方で、「人生を楽しく生きていける人になりたい」「好きなことをして生きていきたい」と夢探し半ばの子もいた。 どの子もコロナ禍でいろいろなことを我慢して過ごしているだろうに、自分なりの歩幅で将来に向かって進んでいる姿は、パソコンの画面越しでも凛々しく見えた。(T)

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